岡部工業株式会社 代表取締役社長 岡部様と対談。 理想と現実の差を埋めるIoT・DX。
板金IoT・DXチャンネル×岡部工業株式会社 岡部社長と対談
今回は、群馬県伊勢崎市にあるATMの板金製造日本一の岡部工業株式会社にお邪魔し、岡部社長と対談方式でお話を伺います。
Q:昨年、沖電気工業株式会社が中国ATMから撤退と言うニュースがありました。中国のATMに関する歴史も踏まえて教えてください。
中国のATMは、歴史は非常に浅く、2006年から中国内でATM施策が始まりました。最初はATMへの信頼度が低く、偽札の識別が出来るのかなど利用するにあたっての不安要素が多く、なかなかATMは受け入れられなかったのです。
ですが、完璧に偽札の識別が出来ると中国政府が認めてからトップダウンで急速にATMが中国で普及し始めました。その後、各中国の銀行が競ってATMを導入し始めると、次は中国企業が続々とATM事業に参入してきました。この一方で、中国政府はATMというお金を扱う企業にデータを持っていかれるのではないかと不安視し、中国政府が国営企業に投資を行い、ATM開発を急がせました。
その結果、中国の国営企業20社程が新たにATM産業に参入し、価格競争が始まりました。ATMの浸透により中国内のキャッシュレス化が始まります。
キャッシュレスが大変便利だと分かると、キャッシュレス化がどんどん進み、ATMの台数が減少していきました。この流れを受けて、日経メーカーが中国国内でATMを作るというビジネスが成り立たないと同時に、中国国内の工場を世界の工場という位置付けでATMを作り、ロシア等の海外に売ろうと思ってもグローバルATMの技術を全部中国に取られてしまうのです。
つまり、沖電気工業株式会社の中国ATM撤退は、キャッシュレス化に伴うATM台数の減少と中国の国営企業参入による撤退と言えるでしょう。
Q:2000年頃、中国深圳に工場を作られましたが、今後はどのようなことを行っていく予定ですか?
基本的には板金加工を行い、グローバルATMの製造を行っています。沖電気株式会社との取り決めとして、岡部工業株式会社では、従来通り中国でATMを製造していく予定です。中国の岡部工場は、日本の岡部工業株式会社が納期・品質・コスト等の管理を行い、岡部工業株式会社の外注として今後もATM製造を残していく方針です。
Q:昨年度から日本エアーテック株式会社の仕事を行うために20億円の設備投資で新工場を作られたと伺いました。
複数の取引先があるなかで、取引先同士が競合する企業である場合があります。その為、同じ工場内で競合する企業の製品を製造することは、機密保持を考える上でも避けるべきと考え、サプライチェーンマネジメントの助成金に申請し補助金を受け、新工場を建てることが出来ました。
国内での新型コロナウイルス感染対策の一環として、日本エアーテック株式会社の空気清浄機を岡部工業株式会社で部品加工・組立・点検・出荷まで一貫して行っています。感染病対策に貢献しているビジネスと言えます。
Q:IoT・DXについて教えてください。
第4次産業革命と言われている中での1つの手段だと思います。実際に会社の中に取り入れてどうやったらうまくいくのか、板金加工は多品種少量生産の最たるものなので、現場での段取り替えが何度も発生します。
大変な作業として、月に1個しか作らない物でも作っていくことが例として挙げられますが、IoT・DXを取り入れることで過去に製造したものをデータ化し保存することで、現場での生産性向上と効率化を図ることが出来ると考えています。理想と現実のギャップを埋めるためにIoT・DXを活用し、今後具体的な事例をお話出来るように頑張ります!
