日本では2018年から使われ始めてきたDX(デジタルトランスフォーメーション)についてを解説。

デジタル化とDXの違い

 日本の企業の約7割が使用している既存システムはレガシーシステムと呼ばれています。レガシーシステムとは、導入してから時間が経過して最新のテクノロジーを取り込みにくくなっているシステムのことを言います。

デジタル化とは、工場で例えると製造プロセスの改革のために行われ、受注を受けてから出荷するまでのプロセスをコンピューターで管理して合理化を図ったもので、導入当時は画期的なものでした。しかし、科学技術の進歩とともに、デジタル化の賜物であるレガシーシステムでは生産向上性が不十分となってきました。

そのため、近年DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されるようになりました。DXは、日本語に訳すとデジタル変換ですが、デジタル化とは異なります。デジタル化のような1つの工場の中だけでなく、インターネットの技術を活用して発注元から購買先まですべてを視野に入れて、ビジネスに関わる全てをよりよくしていくという考えのシステムです。

デジタル化よりもDXの方がより広い範囲で、企業や社会全体をインターネット技術で変革していく取り組みになっています。つまり、DXとは、デジタル化からインターネット技術を活用してよりよい方向へと変換させるシステムのことを言います。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されている

 DXはテレビなどさまざまな業界で聞くことが多いですが、DXという言葉自体はヨーロッパの大学の先生が提唱した言葉で、日本では2018年に経済産業省が発表したDXレポートを契機に非常に多く使われるようになりました。

2015~2016年頃からドイツが進めてきた「インダストリー4.0」と呼ばれる製造業におけるオートメーション化やデータ化、コンピュータ化の技術革新に日本は遅れを取っていました。そのため、この2018年に出されたDXレポート「ITシステム 2025年の崖の克服とDXの本格的な展開」では、このままDX化しないと2025年に崖に落ちてしまうという主旨が書かれていました。

また、現在の菅政権では、中小企業を再編していく中小企業改革を行っており、中小企業の生産性をさらに向上させていくことを目指しています。これにより、さまざまな企業の中でDXが推進されています。

DXによるメリット

 DXを進めることによって、インターネットの技術を活用して、発注元から流れてくるエンジニアリング情報(技術情報)などの設計データをシームレスにつなぎのない形で生産を行うことができるようになります。これを設計DXやエンジニアリングDXと言います。また、外部からモノを購入したり、下請けに出するところまで全て管理することができる購買DXというものもあります。

このように、DXを進めることで、単純に自分の工場や会社の中だけでの生産性を向上させるデジタル化よりも、クラウド技術や人工知能技術、RPAというソフトロボット技術などをフルに活用して、エンジニアリング全体や購買全体など、企業や社会全体という視野で生産性を向上させていくことができるのです。

 DXは第4次産業革命のツールを使用した変革であり、あらゆる最新技術を使用して生産性を向上させるDXは現代において非常に重要な役割を担っています。