タレパンの自動化が、第4次産業革命(板金IoT・DX)を引き起こす。タレパンの重要性に光をあてる第3章。
機械が無人で動く自動化のニーズはどうして生まれ、どのような技術によって自動化が可能となったのか。そして、板金IoT・DXはこれからどこに向かっていくか。産業革命の歴史を踏まえながらお話ししていきます。
タレパンをベースに花開いた自動化の歴史
タレパンの自動化の歴史は新しくありません。1970年代、アマダはすでに自動化の技術を確立していました。
これほど早く自動化が確立したのは、ニーズがあったためです。当時、幅広い業界で機械を24時間無人で動かしたいというニーズが高まっていました。
1971年に導入された1号機のタレパンが対応できる鉄板のサイズはシハチ(4×8)でした。配電盤の製造に使用する鉄板のサイズがシハチだったためですが、その後拡大していく市場においてもシハチが主流となっていきます。
シハチの鉄板は2トン梱包で工場に到着します。自動化のためには、3.2mm以下の薄板を1枚1枚検出し、剥がす技術、ローディングして送り込む技術、自動クランプし、加工を自動的に指示、アンローディングしてワークを取り出す技術が必要です。これら全ての技術が1970年代に確立しているというのは凄いことです。
市場の強いニーズがあったため、タレパンの開発・製造は儲かります。そして、タレパンの自動化が急速に進みました。
アメリカ産電子機器の質の低さにより国産のニーズが拡大
アマダが自動化への道を切り拓くために、技術面でラッキーだった要素があります。それは、アメリカのNCや電子機器の質が低かったことです。
タレパンはダニエルズ氏のアイデアによって生まれ、アメリカで設計されたものです。そのため、初めはアメリカの電子基板を使って日本でタレパンを量産しようとしました。ところが、アメリカ製の品質が悪かったため、温度・湿度の変化に耐えられず断念。アマダは全て国産品を使用することに決めました。
それにより、1970年代の国産NCの開花につながります。東芝やNECがこぞってNC作り、富士通ファナックが最先端の技術で高品質のNCを作ります。タレパンは、国産NCを積んだことで品質が安定。技術の進化、自動化につながりました。
特にファナックのNCは光ファイバーによって設備をネットワークでつなぎ、多品種少量のスケジュール運転を可能にしました。それがアマダのメカ構造と相まって自動化が進展していきます。
自動化の技術→第4次産業革命(板金IoT・DX)につながる
自動化の技術は、産業革命の歴史と密接に関係しています。
第1次産業革命は機械、第2次産業革命は電気、第3次産業革命はコンピューター。第3次産業革命にはタレパンが作り上げた自動化も含まれます。そして、第4次産業革命はIoT・DXです。
現在、大企業から町工場に至るまでの工場を建物に例えると、機械(1階)・電気(2階)・コンピューター(3階)の3階建て工場です。これからの第4次産業革命は仮想工場、ドラえもんの世界に例えられます。IoT・DXは、ドラえもんという人工知能のいる仮想工場です。
インターネットはどこでもドア、サーバーには過去データが存在し、シュミレーションで未来を予測。どこでもドアを使って過去と未来を行ったり来たりすることが可能になるでしょう。
このように、仮想工場が3階建て工場とつながることをIoT・DXといいます。
これができるのは、ターレットパンチプレス自動化の影響が大きいです。自動化の技術があってこそ、第4次産業革命(板金IoT・DX)につながっていくのです。
