精密板金業界では「神様のような機械」ともいえるタレパン。知られざる国産タレパンの誕生を紐解く第1章。
精密板金業界では、神様のような機械ともいえるタレパン。今回は知られざる国産タレパンの誕生秘話、タレパンが作られた目的ついて説明します。
タレパンを開発した「アマダ」と「デニス・ダニエルズ」
タレパン(タレットパンチプレス)は、約50年前にアマダという日本企業がアメリカで開発しました。(アマダは1971年、アメリカに「U.S.アマダ」を設立)
アマダは、デニス・ダニエルズという技術者と力を合わせタレパンを製造。デニス・ダニエルズは、精密板金業界のパンチングマシンの先駆者的な技術者です。NASA(アメリカ航空宇宙局)やストゥリーピットという会社の技術責任者、ユニパンチプロダクツの技術顧問などを経験し、約100個の特許を持っていました。
アマダがダニエルズの特許を購入し、作られたのがタレパンです。1971年にタレパンの国産1号機「LYLA 555」が誕生しました。
タレパン製造の目的=配電盤スイッチギアの穴あけ
実はタレパンは、配電盤スイッチギア業界に向けて作られました。
配電盤の製造は、厚さ約3.2mmの鉄板に最大径4.5インチの穴を開ける必要があります。この穴を一発で開けるためには、50トンという莫大な圧力が必要です。
以前から配電盤に穴を開ける技術はありましたが、ニブリングマシンで連続的に孔を開けることで鉄板を切り出していたので、トン数はそれほど必要ありませんでした。そこで、50トンの圧力に耐えられる機械を作るために、デニス・ダニエルズが考案したブリッジ構造が導入されます。
タレパンは、ブリッジ構造のフレームに、大小様々な72個の金型を搭載したタレットを装備。4.5インチの大きい金型からハーフインチの小さい金型までが瞬時に選べます。50トンの圧力に対応し、72ステーションのタレットを搭載したのが、最初のタレパン「LYLA 555」です。
「LYLA 555」の名前の由来
LYLAというのは星座の名前です。その後のシリーズ化を目的として星座の名前が付けられています。「LYLA 555」のあとは、コマやペガ、ビプロスなどのシリーズが展開されていきます。
555はスペックのことを表しています。50トン・50インチ(Y軸)・50インチ(X軸)の3つの5を取り「555」と名付けられました。
「LYLA 555」は、1971年にアメリカ・シカゴの展示会に発表されます。そして、同年日本で1号機がリリースされました。
