大企業の工業団地は廃れていき これからは町工場=ローカル=金の卵である。
近年、中小企業に対する見方が変化し、「中小企業は罪悪」「M&Aで事業規模を拡大するべき」という考えが広がりました。それに対して今回は、日本の中小製造業、とりわけ精密板金に関するモノ作り遺伝子の素晴らしさや、町工場の生い立ちについて再発見していきます。
日本の大企業は、グローバル化により国際社会で大敗
現在日本には2万社の町工場(精密板金)が存在します。町工場は、ローカルに根付いて分散しています。
一方、大企業は工業団地を作り、人々を集めてモノ作りをします。1980年以前に世界に誇っていた日本のモノ作りは、大企業のグローバル化により、国際社会で負けてしまいました。現在、自動車を除いた大企業は厳しい状況です。それにより、日本のGDP成長率は低迷しています。
現在生き残っているのはローカルな町工場
日本は江戸時代から、士農工商は住み分けが決まっていたのに対し、工業(モノ作り)は場所を問わずに営まれていました。「工業団地」というイメージは、イギリスの産業革命の影響で入ってきたものです。
戦後、工業団地と町工場の両翼でやってきた日本の産業ですが、現在生き残っているのは、明らかに大企業よりもローカルな町工場です。なぜかというと従業員の定着率が違うから。
高い技術力、伝承力を持った町工場こそ、日本のモノ作りの素晴らしい遺伝子と言えるでしょう。日本の美しさはローカルの美しさです。地域に根ざした中小企業の強さを誇るべきです。
町工場モノ作りの3つの強み
町工場のモノ作りの遺伝子には、大きく分けて3つ良いことが挙げられます。
①ローカルであること
町工場は江戸時代からローカルの文化が継承されており、技術も伝承されています。
②日本語であること
町工場のトップから現場で働く若い人まで日本語でコミュニケーションできるというのが大きなメリットの1つです。
③すりあわせ(インテグラル)が素晴らしいこと
技術や考えをすり合わせることで、より良いモノを作ろうとする考えが素晴らしいです。この3点をベースに板金IoT・DXを考えなければいけません。
町工場×IoT・DXの難しさ
私は、ローカルにある中小製造業、グローバル化せずあらゆる財産を温存し、負け組になっていない地域の企業のことを町工場と呼んでいます。
第4次産業革命やIoT・DXの考えというのは元々はドイツやアメリカなどの海外で発祥した考えです。イギリスの産業革命や工業団地のイメージをベースに作られています。
町工場のモノ作りは、海外で歴史的に継承してきたモノ作りとは遺伝子が違います。そのため、海外のIoT・DXの考えは日本の町工場には合いません。
では板金IoT・DXをどうするべきか
板金IoT・DXは、町工場の良さをベースに考えなければいけません。
これまでの企業発展の要因は「金の卵」と「移民」でした。日本は、工業団地を作って、人が足りなければ地方から「金の卵」を集めていました。海外は、労働力を集めるために「移民」を受け入れました。ところが、移民政策をした国のモノ作りは衰退しています。また、金の卵で集まった優秀な技術者は海外流出してしまいました。
残っているのは、工業団地でもなく、移民でもなく、金の卵でもありません。
地域の人がローカル企業で働き、そこで得た技術を伝承していくことが、日本の未来につながります。これこそが日本のモノ作りの原点です。
この原点をベースに板金IoT・DXを考えていくことが大切です。改めて、町工場の美しさに目を向け、町工場のための板金IoT・DXを花開かせたいと思います。町工場が世界に冠たる生産性を持ち、最も素晴らしく、かっこいい工場に豹変していくように支援していきます。
